物を貸す大切さと優しさに溢れた絵本『そらまめくんのベッド』
紹介する作品
書名:そらまめくんのベッド
著者・イラスト: なかや みわ
出版社: 福音館書店
初版年月日: 1999年09月30日
ページ数:28ページ/寸法:20 × 27 cm
伝えたいこと
自分の物を友達に貸すことで、友達と一緒に自分も嬉しくなる。
物を貸すことは大事だけど、大切な物ほど難しいな〜。
どんな内容の絵本なのかな〜??
この絵本の内容を紹介するね!!
物を貸すことを通して、沢山の優しさが感じられる絵本だよ。
あらすじ紹介(結末を含む)
そらまめくんは自分のベッドを宝物のように気に入っています。友達にそらまめくんのベッドでねむってみたいと言われても、何かと理由を言って貸しませんでした。
ある日、そらまめくんのベッドが無くなってしまいます。友達に聞いて回りますが、最初は「知らないよ」と冷たく言われてしまいます。
でも、友達はそらまめくんのことが可哀想になり、自分達のベッドを使わせてくれます。そらまめくんは友達のベットに入ってみますが、自分に合う形のベッドはありませんでした。
探し続けていると、うずらが卵を温めるために、そらまめくんのベッドを使っていました。そらまめくんは、仕方ないと思いながら様子を見守っているうちに、ベッドよりも卵の方が気になってきました。
卵からひよこが産まれると、そらまめくんは自分のベッドでひよこが産まれたと得意になり嬉しくなりました。ベッドが見つかったことで友達も喜んでくれました。
この出来事をきっかけに、そらまめくんはベッドを貸すことができるようになり、最後は、友達みんなをベッドに招待して、一緒に眠りました。
見どころ
- いろいろな優しさが描かれている
- 自分の物を貸すことができるようになるまでが丁寧に描かれている
- 登場人物の表情が豊か
- 優しい色合いの絵(ふかふかベッドが気持ち良さそう)
①いろいろな優しさが描かれている
友達の優しさ
ベッドを無くしたそらまめくんの悲しそうな様子を見た友達が、自分達のベッドを自ら貸してあげようとしてくれます。
そして、ベッドが見つかったことを知った友達は、パーティーを開いて、そらまめくんと一緒に喜んでくれました。
そらまめくんの悲しみや嬉しさに、共に寄り添ってくれる友達の優しさが感じられます。
親の優しさ(愛情)
親のうずらが卵を一生懸命温める姿が描かれています。ひよこが産まれるまで、大事に温める姿は親が子どもを思う優しさが感じられます。
主人公のそらまめくんの優しさ
最後の方は、自分の宝物よりも、卵の無事を心配し、ひよこが産まれることを喜んでいます。この出来事をきっかけにして、そらまめくんは友達にベッドを使わせてあげることができるようになりました。
そらまめくんの他の生き物(卵)を思う姿に優しさを感じられます。
②自分の物を貸すことができるようになるまでが丁寧に描かれている
大事な物であればあるほど、人に使わせてあげるのは気持ち的に難しいと思います。
最初はそらまめくんも、様々な理由を言って友達に使わせてあげようとはしませんでした。
それでも、友達がそらまめくんを心配して自分達のベッドを貸してくれる姿を見たり、ひよこが自分のベッドで産まれたという誇らしい出来事を通して、そらまめくんは自分のベッドを使わせてあげることができるようになりました。
人に物を貸した方が良いと諭すのではなく、友達の優しさやうずらとの誇らしい出来事を通して、そらまめくんの気持ちに変化が起こりました。
「物を貸す」ことは自分も嬉しい気持ちになることが丁寧に描かれています。
③登場人物の表情が豊か
子供は絵からいろいろなことを読み取ります。
登場人物の喜び、怒り、悲しみが、表情に丁寧に描かれているため、絵に注目する子供にとって、登場人物の感情が分かりやすいと思います。
④優しい色合いの絵
全体的に優しい色合いで描かれています。絵を見ているだけで、豊かな自然を見ている時のような穏やかな気持ちになれます。
特に、そらまめくんのベッドは、とてもふわふわに描かれており、飛び込んで寝てしまいたくなるような素敵な絵です
いろいろな優しさが感じられる絵本なんだね。
実際に、子供はどんな反応をするのかな〜?
子供の反応はとても気になるよね。
実際に、子供に読み聞かせをした時の反応や感想を、子供の年齢で分けて伝えたいと思います。
子供の視点と反応
長女が3歳の頃に購入しました。
3歳の長女は、そらまめくんのベッドが気に入って、「私もふかふかベッドに寝てみたい!」と言っていました。
4〜5歳になると、そらまめくんがベッドをかすことができないシーンを見て、「いけないよね〜」と客観的な視点で見ていました。
それでも、ベッドが無くなった時は心配して、うずらがベッドに乗っているシーンでは、「ここにあった!!」と得意げに教えてくれました。
ベッドが見つかって友達にパーティーを開いてもらっているシーンでは、「よかったね〜!」と嬉しそうに見ていました。
現在の6歳の長女は、いろいろな豆の形やベッドの形や、葉っぱのブランコなど、登場人物以外にも注目して楽しんでします。発見した時は、読んでいる途中でも「葉っぱの階段だ!」など楽しそうに教えてくれました。
年齢によって見方が変わるのと、繰り返し読む中でも、子供はいろいろなことを発見して教えてくれます。
親の視点と感想
この絵本を選んだきっかけ
最後のシーンで、そらまめくんが自分の宝物のベッドに友達を招待して、一緒に嬉しそうに眠っている姿を見て、子供にも、自分の物を友達に貸してあげることでお互いに嬉しい気持ちになることがあることを知ってもらいたいと思い、選びました。
親の視点と感想
友達に冷たくすると、困った時に優しくしてもらえないことがあることや、そらまめくんが、自分の宝物のベッドより、うずらの卵のことを心配してひよこが産まれることを応援したりと、ベッドを通して様々な気持ちの変化が丁寧に描かれていることが素敵だと感じました。
大切な物ほど、人に使わせるのが怖かったり嫌だったりと、いろいろな感情や葛藤があります。特に子供は、予測する力や考える力を身につけている途中ですので、物を貸したら返してもらえないかもしれないと、不安がとても強いと思います。
この絵本では、「物の貸し借りは大切だよ」「物を使わせてあげようね」などの諭すような言葉は出てきません。
そらまめくんが、友達の優しさや、ベッドを貸すことで得られた誇らしさという経験を経ることで、自然と、友達と自分の物を使わせることができるようになりました。
もし、子供が物の貸し借りが今はできなかったとしても、いろいろな優しさや経験を経て、自然と貸し借りができる気持ちに成長できるのだと、絵本を通して感じることができました。
何より、最後はみんなが笑顔になるので、子供と「よかったね〜」と言い合えることが嬉しいです
ドキドキと優しさがいっぱいの素敵な絵本だね。
実際に、どういう読み方をすると良いのかな〜?
実際に読んでみて、おすすめの読み聞かせ方法を教えるね。参考にしてもらえたら嬉しいな。
おすすめの読み聞かせ方法
子供は、大切な物が無くなってしまうというストーリーにハラハラすると思いますので、子供を膝に乗せたり、寄り添って読んであげると良いと思います。
いろんな豆の形やベッドの形が出てくるので、どれが好きか聞いてみるのも良いかもしれません。楽器や遊具などが葉っぱやお花でできているので、「お花の鈴だね!」など子供と一緒に発見するのも楽しいと思います。
最後のパーティーのシーンでは、「カシャ カシャ ドンドコ プップクプー」と私も読み方に迷う言葉が出てきますが、楽しく明るく読むだけで良いと思います。子供は楽しそうな絵と楽しく読んでくれる言葉を聞いて、嬉しくなると思います。
年齢別の楽しみ方
読み聞かせは3歳から、自分で読むなら小学校初級向き となっています。
3歳未満の場合
文章が長くストーリーがしっかりしているため、途中で飽きてしまうかもしれませんが、身近な豆達や草花が出てくるため、好きなページを一緒に見たりして楽しめると思います。そらまめくんに対して、うずらは大きいため、迫力があるところも見やすいと思います。
3歳〜4歳頃
内容を理解してストーリーを楽しめるようになるため、本に書かれている通りオススメです。幼稚園、保育園で友達との貸し借りが始まるため、そらまめくんの気持ちや内容も身近に感じられると思います。
5歳〜6歳頃
そらまめくんだけでなく他の登場人物の気持ちを理解したり、周囲にある草花などに注目したりできるため、より絵本の隅々まで楽しめると思います。
まとめ
友達との貸し借りに悩んでいる方にもオススメですし、さまざまな優しさで溢れた絵本ですので、子どもとハラハラしながら温かい気持ちになると思います。
参考になったら嬉しいな!楽しい時間を過ごしてね!